コグトレが批判されるのは?アプリは効果なし?デメリットも紹介
コグトレという認知機能トレーニングをご存知ですか?
教育や福祉の分野で注目されているコグトレですが、「批判」などマイナスなイメージも多くあります。
批判の理由は、効果が限定的になること、科学的根拠が乏しいこと、個人への対応が不十分になることです。
批判される理由から、「本当に効果があるの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、コグトレが批判される理由を詳しく解説していきます。
また、コグトレとはどのようなトレーニングなのか、効果やデメリットについても紹介。
ご家庭でコグトレを取り入れてみようかと検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
コグトレが批判される理由
教育や福祉などの分野で注目されているコグトレ。
一方で、コグトレを検索すると「批判」などマイナスなキーワードを目にします。
コグトレが批判される主な理由は次の3つです。
効果が限定的になる
トレーニングの効果が特定の課題に限られ、実生活での応用が難しいとの指摘です。
コグトレにはトレーニングによって記憶力、注意力などの認知機能を向上させる効果があります。
例えば、ゲーム形式の記憶トレーニングを繰り返し行うと、同じような課題には強くなりますよね。
しかし、その効果として学業成績が必ずしも向上するとは限りません。
特定の課題は上達するものの、他の課題に対して認知機能が活かされているのか?という疑問が出ています。
科学的根拠が乏しい
認知機能トレーニングが、社会性の獲得に繋がるという科学的根拠が十分でないとの指摘です。
コグトレを開発した宮口氏は、認知機能が向上すると社会性の獲得に繋がるとしています。
しかし、一部の研究では、この理論が成り立たないという結果が出ているのです。
認知機能の向上は、社会性の獲得と関連性はありますが、異なる分野と考えられています。
認知機能をトレーニングしても、その効果が異なる分野に影響するという因果関係は証明されていません。
科学的根拠が乏しいことにより、社会性の獲得に役立つのか?と疑問を持たれているのです。
個人への対応が不十分になる
個人の特性や困りごとに合わせた対応が、十分に行えない場合があるとの指摘もあります。
例えば、特性や困りごとによって、必要なトレーニングや支援は異なってきます。
しかし、目的や効果が十分理解されていないと、同じトレーニングが適用されることがあるのです。
また、特に発達障害への支援では、トレーニングのみではなく、行動療法や環境調整が不可欠。
多方面からの支援を適切に行うためには、個人に合わせた支援策を考えることが必要です。
コグトレは、学校などで一斉に行われることも多いため、個人に対応できているのか?との疑問が出ています。
コグトレとは?
批判も多いコグトレですが、どのようなものなのでしょうか?
コグトレ(Cog-Tr)とは、認知機能のトレーニングのことです。
「Cognitive(認知)」に着目したトレーニングで、児童精神科医の宮口幸治氏が開発しました。
認知機能とは、物事を理解したり、考えて判断したりする力。
認知機能には、記憶、知覚、注意、言語理解、判断・推論といった要素が含まれています。
この中の1つでも欠ければ学習や日常生活などに困りごとが出てくるのです。
認知機能がうまく働かない場合、例えばこんな困りごとに。
「記憶」の機能がうまく働かない場合
・宿題や先生からの指示を忘れてしまい、学校で準備ができなかったり、怒られたりする。
・テスト勉強をしても覚えられず、点数が取れない。
「言語理解」の機能がうまく働かない場合
・国語の文章問題の意味がわからず、点数が取れない。
・友だちが言ったことが理解できず、会話に支障が出る。
このような困りごとを解決するために、コグトレでは認知機能を鍛える必要があるとしています。
コグトレは元々、認知機能に弱さがみられる子どもを対象に開発されました。
現在では元々の対象のみならず、教育や福祉の分野で幅広く利用されています。
・幼児の早期教育
・小、中、高の子どもへの学習補助
・高齢者の認知症予防
・認知機能リハビリテーション など
コグトレは効果ない?デメリットは?
コグトレには、トレーニングによって認知機能を向上させる効果があります。
適切な課題を継続的にトレーニングすることで、注意力や記憶力などの向上に効果が期待できるのです。
また、コグトレには遊びの要素が取り込まれており、子どもが楽しみながら課題を進められます。
課題の積み重ねにより、「できた」という達成感を味わえば、学習意欲の高まりにも期待が持てますね。
現在では、コグトレオンラインといったオンライン形式での教材が提供されています。
学習履歴で、「がんばり」がわかるようにされており、個人の得意・不得意が把握できるシステムも。
これらのことから、コグトレに取り組むこと自体、デメリットがあるとは考えにくいです。
しかし、効果には個人差があるため、全員が同じ効果を得られるわけではありません。
個人の特性や困りごとに合わない場合は効果が感じにくい場合があります。
ただトレーニングをするだけでは、子どもの負担やできないことへの劣等感に繋がりかねません。
大切なのは、コグトレが全ての困りごとを解決する支援策ではないと理解すること。
実施するためには、個人の特性や困りごとに合わせた目的・目標を設定すること。
他の支援を併用し、常に目的・目標設定や方法の見直しを行うことです。
まとめ
- コグトレが批判される理由は、効果が限定的になる、科学的根拠が乏しい、個人への対応が不十分になること
- コグトレ(Cog-Tr)とは、認知機能のトレーニングのこと
- 認知機能には、記憶、知覚、注意、言語理解、判断・推論といった要素が含まれ、1つでも欠ければ学習や日常生活などに困りごとが出る
- コグトレでは、困りごとの解決のために、認知機能を鍛える必要があるとしている
- コグトレには、認知機能を向上させる効果がある
- 効果には個人差があり、個人に合わせた目標設定や支援方法の検討が必要
コグトレには、認知機能を向上させる効果がある一方で、批判も多くあります。
ご家庭では、メリットやデメリットを十分に理解した上で、子どもに合わせて取り入れるようにしましょう。
大切なのは、取り入れる目的をしっかりと持つこと。
また、子どもの得意・不得意を認め、「できた」ことを大いに褒めることです。
コグトレの効果が十分に発揮できるよう、ぜひ取り入れ方を工夫してみてくださいね。
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